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1 粕の踏込み

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直径約2m、高さ約2mの巨大タンク
冬に仕込まれる日本酒から出る板状の酒粕(板粕、バラ粕)は、そのままでは奈良漬に使用できません。
弊舗では、この板状の酒粕を大きなタンクに踏み込みます。
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酒粕を投入
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タンクの中には2人から3人入り投入された酒粕を、細かくバラします。
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バラし終わったら足で酒粕を踏込みます。中に空気が残らないように念入りに踏込みます。この作業を怠ると良い踏込み粕が出来ません。
1タンクで20回位に分けて踏込み
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冬に仕込まれる日本酒から出る板状の酒粕(板粕、バラ粕)は、そのままでは奈良漬に使用できません。
弊舗では、この板状の酒粕を大きなタンクに踏み込みます。

2 用の粕出し

タンクの中へ木蓋を置いてその上に乗り、スコップで酒粕を出します。

「力」と「コツ」がいる作業です。

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3 練り

酒粕を漬種(つけくさ)にあわせ何種類かの酒粕を練り合わせます。
酒粕の練り合わせ割合は漬種、時期によって変えております。

4 替え・塩漬

作物が収穫されて製品になるまでの標準的な工程を示します。
【収穫後すぐ塩漬→下漬→中漬→上漬→本漬】

漬種により下漬を繰返すもの、上漬を繰返すものがあります。
各工程1〜2か月間寝かせます(半年以上寝かすものもあり)。

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蔵で漬替えを待つ
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塩瓜のヘタを切る作業
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⚫︎塩 漬

作物の収穫後すぐ塩漬の下漬をします(塩漬に使う塩は精製塩ではなく日本国内製造の塩*を使用)。
塩をして重石をします。この塩を使用することにより歯切れ、味のまろやかさが出ます。
瓜を例にとりますと、瓜から吐き出された水分でひたひたの状態になり、次に瓜を取り出し塩を新しくして塩漬けの本漬をします。
重石をすると、ここでも水分が出てきますので、この塩水が飽和塩水になるまで置きます。またドブ漬といって、酒粕に多量の塩を練り込んだ中に漬け込む場合もあります。

*日本国内製造の塩は、赤穂から取水した国内海水塩を乾燥させた塩を使用しています。

5 替え・下漬

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下漬の様子

塩漬が完了したら酒粕で漬け込みます。
使う酒粕は中漬で使用していた酒粕(中漬の抜き粕)を使用します。

下漬の主な目的は塩抜き(脱塩)です。

中漬の抜き粕を使用することにより徐々に脱塩ができます。
また、中漬の抜き粕の旨みが漬種に移ります。

6 替え・中漬

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作業場風景

下漬が完了したら中漬を行います。
中漬には上漬で使用していた酒粕(上漬の抜き粕)を使用します。

中漬の目的は脱塩と調味です。

調味の段階が加わることにより漬替えの時期、漬種により粕の量を変えます。

7 替え・上漬

中漬が完了したら上漬を行います。上漬では新しい酒粕を使用します。
漬種、時期に合わせ何種類かの酒粕を練り合わし使用する量も加減します。
上漬以上になると漬込み作業には熟練した職人が従事します。
漬蔵での保管も気を使うところです。
上漬は脱塩も兼ねていますが、調味に重点を置いています。

8 替え・本漬

上漬が完了したら本漬、仕上げの工程です(本漬も上漬と同様新しい酒粕を使用)。
本漬も何種類かの酒粕を練り合わしますが、最後の味付けですので特に気を使うところです。
上漬での漬かり具合、漬種の出荷時期に合わせ使用する酒粕の種類、量を決めるのは私が行います。当然、脱塩も行われますが脱塩しすぎてもいけません。この塩梅(あんばい)がむずかいのです。

弊舗の奈良漬の塩分は市販奈良漬に比べ低いくらいで、2~4%位です。反対にアルコール分が高く6~7%くらいあります。

塩分が低いのに保存性が良いのは、アルコール分が高いからです。
この作業に従事するのは熟練の職人です。漬蔵での夏場の保管には気を使います。
温度が高くなるとどうしても味付きが濃くなることがあるからです。

このように手間隙かけるとよくいいますが、手間という「職人の技」、隙という「時間」が奈良漬を漬けあげるのです。

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