HOME > 発酵の歴史 > 【第5回】森奈良漬店の今昔ものがたり

明治2年(1869)に創業した森奈良漬店。
創業当時から東大寺への参詣客を主として、
明治・大正・昭和・平成・令和と、
5つの時代を5代にわたって守り継いできました。
そんな老舗奈良漬店には150年以上の様々な歴史が詰まっています。
今回は、森奈良漬店が歩んできた長〜い歴史の数ページをご紹介します。

はじめは東大寺の中で開業

初代・タツさんが高畑町の八木酒造から酒粕を買って粕漬を売り始めたのが始まりと言われている森奈良漬店。現在は東大寺門前に店を構えていますが、創業当時は東大寺境内の眞言院(東大寺ミュージアムの北側)の近くにお店がありました。

しかし、「東大寺の中に奈良漬屋や土産物があるのは寺の風格を傷つける」といった声があがり、昭和17年(1942)に現在地へ移転することに。
創業当時はまだ奈良県は発足したて、許可状も半紙1枚だったのだとか。
これは致し方ない…。
また屋号もタツさんの主人が営んでいた酒小売店の名前を使い、「酒吉こと森たつ」という店名でしたが、3代目・平八郎さんの時に何のお店かわかりやすい「森奈良漬店」と改められました。

ハプニングな日々とともに

自然条件によって左右されることはもっぱらで、猛暑厳寒が奈良漬の出来に影響したり、素材の野菜を育てる畑が台風でまるごと流されてしまったりすることもありました。
それに加えて、世相の影響を受けることもあり、戦時中は、食品統制によって酒粕の配給量が極端に少なくなりました。
ウリなどの原料も米や麦の増産に切り替わり、当時はほぼ休業状態になっていたと聞きます。
また現在でも新型コロナの影響などで日本酒の消費量が減り、今年は醸造しないと決断された醸造元も現れています。
今後の酒粕の供給が心配の種です…。

変わることを知らないからこそ

森奈良漬店には「声なくして人を呼ぶ」という初代のモットーがあります。
「お客に媚びることなく品質と風味でお客に好まれる奈良漬を作る」という信念です。

輸入野菜や食品添加物で低コスト化・効率化を図るという時代の変化がありましたが、創業以来の品質と風味を守り続けるのに、そうした情報は必要なかったのです。

漬樽を陶器からプラスチックに変えたり、商品を小分けパックや簡易包装にしたりなど、時代に応じて必要な変化はありますが、森家が作る奈良漬自体は150年間、基本的に変わることのない品質と味を作り続けています。

ちなみに、店舗も移転の際に当時の建物をそのまま移築したので、少なくとも80年以上は変わっていません。
今のところはご先祖様や神仏に守られている? ようですが、大雨や強風があるたびに、吹き飛ぶのではとハラハラしているそうな…。
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