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塩漬けという工程の奥深さ。

近頃、塩に魅了されているので、思わずブログにしてみます。

森奈良漬店では、1年から1年半の期間をかけて奈良漬をつけあげます。
突然酒粕につけるのではなく、一番最初の工程は「塩漬(しおづけ)」です。
私もまだまだ勉強中の身ですが、塩漬の作業をきちんとせずに、奈良漬ができあがることはあり得ないのではないかなぁと考えます。

この塩漬の技術は、驚くことに今から13000年~2300年前の縄文時代に誕生していたといいます。
冷蔵庫がない時代に、たべものを長期保存するための工夫!
ちなみに、冷蔵庫のルーツは、1800年代のアメリカの発明家のアイディアからと言われているので、200年ほど前のことなんです。

 

さて、ここから本題です。

奈良漬の素材(野菜)が届くと、鮮度を保ち、奈良漬の歯触りを最大限に引き出すためにその日のうちに塩漬の作業にかかります。塩水につけるわけではなく、そのまま塩をふりかけるような感じです。こんなに塩を使って大丈夫?と心配されるほど、すごい塩の量を使います。(写真は、セロリ)

「塩につけること」を紐解くと、塩につけることで、野菜の細胞から出る「浸透圧」と呼ばれる働きで水分が吐き出されます。そうすることで、腐敗菌の活動を止め、長期保存ができます。

 

このお写真、塩漬けした瓜なんですが、お水は一切加えていません。
瓜が持つ水分が吐き出された状態です。これが、浸透圧の作用です。

この状態では、塩辛いをこえて、食べることができないほどの味なので、
残念ながら全く美味しくありません。
しっかりした塩漬けを経て、はじめて酒粕に漬けこむ作業(塩を抜き、旨みを加えていく作業)にうつりかわっていきます。

photo:Toshiyuki Tatsumi

森奈良漬店 5代目・森 麻理子

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